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本業の取材で企業などをお尋ねすることがしばしばあるのですが、先般お伺いしたとてもとても大きな会社は、美人な広報の方がすごく綿密な対応をしてくださいまして、取材に関係する資料をきちんとファイリングしてお渡し頂くという、ありがたいやら恐縮するやらの取材でありました。

ほへー、でっかい会社はやはりちょっと違うなぁーと実感したわけですが、資料の中で1点だけ「ん?」と思ったのが、頂いた資料の中に、その会社を取り上げた新聞や雑誌の記事をコピーしたものがたっぷり含まれていたこと。あれれ、そもそも著作物を無断でコピーして渡すことは著作権侵害だよね……という点はともかくとして、なぜ他社の記事をわざわざ資料として渡すのか?という疑問がふつふつと湧いたわけです。

もちろん先方は少しでも何かの参考になるようにと、善意でお渡し頂いたのだと思います。しかし自分は、ちょっと違和感を感じました。ビジネスの現場で、相手方に競合他社の商品を渡された。そう言い換えれば、ニュアンスが伝わるでしょうか。そんな自分が感じたこの違和感の正体を、上手く説明してくれる記事が『Business Media 誠』のコラムにありました。
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1210/23/news025.html

 

なるほど。新聞業界は減点方式なのだ。
「自紙だけが報じない」ことこそがマイナスで、加点はあまり関係ないのだな、と。

今回渡された資料には業界新聞や専門誌のものが多かったわけですが、これが一般紙ばかりだった場合、自紙だけに載っていない「特オチ」をすることが何よりの赤っ恥なのでしょう。なかでも記者クラブの記者にその傾向は顕著なようです。先般の大阪市長と『週刊朝日』の騒動では、会見を締め出されかけた『朝日新聞』の記者が、双方に対して猛烈な反発をしたことが容易に想像できますね。

 

雑誌業界は速報性を重要視しないし、各メディアの規模も小さいですから、どちらかというと「自誌だけが報じる」ことを重んじている媒体が多いと思います。特にリトルマガジンなど作っている自分は「他がやっているんなら、うちはやらなくていいか」という傾向が強いのでしょうね。隙間産業体質とでもいいましょうか。

常識的に考えれば「報じないことがマイナス」な媒体より「報じることがプラス」な媒体のほうが「攻めた」記事が多いわけですから、迂闊にダマされやすそうなもんです。それなのに大新聞が見事にダマされたというのは面白いもんだと思います。まあ雑誌はダマされても規模が小さいから、たいていがうやむやになってしまうんでしょうけどね。

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