高橋陽一  Takahashi Youichi
80年代の漫画界に一躍サッカーブームを巻き起こした先駆者。その後も少年誌を中心に創作活動は続けているのだが、当時のスポーツ漫画の旗手として期待感は、やや裏切られた感がある。絵柄という意味でも個々の性格という意味でも、キャラクターの描き分けが若干甘く、ストーリーそのものも大味でワンパターンな展開に終始することが多い。ただ、少年漫画のトップランナーとしての期待感を除けば、佳作を生み出すだけの実力は十分にある。独特の絵柄にはファンも多く、多作とは言えないまでも世に生み出している作品の数は決して少なくはない。何か1つ転機があれば、再び表舞台で腕を奮う可能性も十分にあるだろう。。
キャプテン翼 ★★★★★★
連載 集英社『週刊少年ジャンプ』 単行本 集英社ジャンプコミックス[全37巻]
集英社愛蔵版コミックス[全21巻]
集英社漫画文庫[全21巻]
【僕は岬太郎】集英社ジャンプコミックス[1巻]
ブラジルへ渡り、ワールドカップに出場することを夢見る大空翼は、父の友人であるロベルトに様々なテクニックを学ぶ。一世を風靡した長編サッカー漫画で、繊細な描線やスムーズなストーリーから女性にも人気が高い。個性がないようで実は多彩なキャラクターや、次々に登場する奇想天外な必殺技も魅力的。黎明期のサッカー人気を支えた作品。〔w〕

高橋留美子  Takahashi Rumiko
大の阪神タイガースファン。大学在学中にデビューし、卒業後すぐに週刊誌等で連載を始めて以来、独特のコメディセンスと絵柄、テンポのいいストーリーで、常に第一線で活躍し続けている。おそらく女性の少年漫画家としては最も人気があり、セールス的にも成功した存在といえるだろう。連載された作品の多くが長期連載となり、それらが軒並み人気を博すなど、ヒットメーカーとしての活躍を取り上げられることも多いが、卓越したバランス感覚や抜群のキャラクターセンス、笑いのセンスのオリジナリティなど、力量も抜群。連載終盤に差し掛かるとストーリーがややダレ気味になったり、最近の作品にややマンネリ感が感じられる向きもあるが、人気と実力を兼ね備えた日本を代表する漫画家の1人であることは間違いない
うる星やつら ★★★★★★
連載 小学館『週刊少年サンデー』 単行本 小学館少年サンデーコミックス[全34巻]
小学館少年サンデーコミックスワイド版
[全15巻]
小学館文庫[全18巻]
地球侵略にやってきた謎の少女ラムに一目惚れされた諸星あたるは、大の女好き。連載当時は画期的と云われたラブコメディーで、SFらしくないSFと毒のない笑いで一時代を作り上げる大ヒットとなった。解りやすいドタバタは現在でも楽しめる上質のもので、さらにコスプレやグッズなど漫画に様々な楽しみ方を付加した功績も大きいといえる。〔w〕
めぞん一刻 ★★★★★★★★
連載 小学館『ビッグコミックスピリッツ』 単行本 小学館ビッグコミックス[全15巻]
小学館ビッグコミックスワイド版[全10巻]
小学館文庫[全10巻]
ボロアパート一刻館に住む浪人生五代は、新しくやってきた未亡人の管理人、音無響子に心惹かれる。騒がしく破天荒な住民たちのドタバタと、五代と響子のはっきりしない恋愛模様を描く。青年漫画におけるラブコメディの趨りで、個性的な住人たちと魅力的なヒロインが秀逸。キャラクターの強さで作品全体の質を押し上げた、典型的な作品だ。〔w〕
らんま1/2 ★★★★★★
連載 小学館『週刊少年サンデー』 単行本 小学館少年サンデーコミックス[全38巻]
【新装版】
小学館少年サンデーコミックス[全38巻]
水をかぶると女になってしまう早乙女乱馬は、居候することになった天童道場の三女あかねと無理矢理許嫁にさせられる。当初は格闘とアクションを織り交ぜたラブストーリーだったが、やはり徐々にコメディタッチになっていく。中盤以降、シナリオはマンネリ化し、キャラクターも増え続けて収拾がつかなくなってはいるが、無難なエンターテイメントとして楽しもうとすれば十分に合格点だろう。〔w〕
1ポンドの福音 ★★★★★★
連載 小学館『ヤングサンデー』 単行本 小学館ヤングサンデーコミックス[全3巻]
かつてはフライ級だった畑中耕作は減量に我慢がきかず、フェザー級で戦わざるを得ないほど体重が増えてしまっている。教会のシスターアンジェラに励まされやる気は出すのだが、意志の弱さは直らない。あいかわらずのコミカルタッチで描くポップなストーリー。つかずはなれずの二人の関係は作者の十八番だが、短編ならではの魅力がほとんど感じられないのが残念。〔w〕

ちばあきお  Chiba Akio
派手さのかけらもない、朴訥なキャラクターたちが黙々と努力と練習を重ねる。登場するのはどこにでも転がっていそうなありふれた野球部の平凡な部員ばかりで、まとう衣装は野球のユニフォームと学生服だけ。もちろん、恋愛の対象となるような女性キャラクターは全く出てこない。スリリングな展開が待ち受けているわけでも派手なアクションがあるわけでもないのだが、しかしながらとにかくそのひたむきな根性と努力がただただ胸を熱くし、涙を誘うのだ。「努力」というファクターをこれほど魅力的に、情熱的に描いた作家は他に見あたらない。兄ちばあきお、弟七三太郎の紡ぐストーリーともまた違った世界観がそこにはある。早い他界がなんとも惜しまれてならない。
キャプテン ★★★★★★★★
連載 集英社『月刊少年ジャンプ』 単行本 集英社ジャンプコミックス[全26巻]
集英社ジャンプコミックスセレクション[全15巻]
集英社愛蔵版コミックス[全15巻]
集英社漫画文庫[全15巻]
名門青葉中学から墨谷二中に転校してきた谷口は、青葉のレギュラーだったと勘違いされる。必死で練習を繰り返す谷口が次第に実力をつけていき、さらにキャプテンに指名されて日本一を目指す。谷口引退後も丸井、イガラシ、近藤と個性豊かなキャラクターが日本一を目指して努力していくが、どのキャプテンにも共通するのは彼らの野球に賭ける熱い情熱だ。〔w〕
プレイボール ★★★★★★★★
連載 集英社『週刊少年ジャンプ』 単行本 集英社ジャンプコミックス[全22巻]
集英社愛蔵版コミックス[全10巻]
集英社漫画文庫[全11巻]
墨谷二中を卒業した谷口が高校進学してからの話。怪我で指が伸びきらなくなってしまったが、野球への情熱は失っていなかった。一年生ながらキャプテンに指名され、丸井も編入してきていよいよ甲子園を目指すことになるが、谷口の前には強力なライバルたちが立ちはだかる。迫力は前作に劣るものの、彼らの野球への変わらぬ姿勢が気持ちいい。〔w〕

寺沢大介  Terasawa Daisuke
大味なストーリーが特徴的だが、言い換えればいかにも少年誌らしいテンポのいい作品を作り上げる。基本的に作品の題材は「料理」で、当初はいわゆる客をいかに料理によってもてなすかという人情話も登場するのだが、どの作品も徐々に料理バトルの様相を呈し出す。技のインフレ・力のインフレならぬ「食材のインフレ」が発生し出すところがいかにも少年誌の料理漫画らしく、どう見ても食欲をそそらないものや、「旨い!」といわれても説得力のないものが登場するのはご愛敬か。週刊誌に登場した頃はどちらかというと児童誌に近い絵柄だったが、次第にオリジナリティのあるタッチに変化している。ただ、それが手放しで良かったとは言えないのが辛いところだ。
ミスター味っ子 ★★★★★★
連載 講談社『週刊少年マガジン』 単行本 講談社少年マガジンコミックス[全19巻]
講談社コミックススペシャル[全10巻]
講談社漫画文庫[全10巻]
味皇こと村田源二郎がぶらりと立ち寄った日の出食堂で腕を振るっていたのは、味吉陽一という少年だった。陽一が一馬や兵太、劉虎峰らと様々なバトルを繰り広げる料理マンガで、様々な料理のアイデアに圧倒される。少年マンガらしい大味な展開だが、しっかりした知識と安定感のある構成には好感が持てる。毎回似たり寄ったりの構成が欠点か。〔w〕
将太の寿司 ★★★★
連載 講談社『週刊少年マガジン』 単行本 講談社少年マガジンコミックス[全27巻]
講談社コミックススペシャル[全14巻]
講談社漫画文庫[全14巻]
宿命の商売仇、笹寿司との戦いで成長していく、主人公の寿司職人将太の活躍を描く。だが、寿司を握るドラマがかなり演出過剰で、素直に感情移入しにくい。話の進め方が全体を通してクサすぎ、1つ1つのエピソードも呆れるほどに描く。寿司というテーマそのものはかなり斬新で面白いと思うのだが、作品の作り自体は全体的に雑な印象。〔w〕

冨樫義博  Togashi Yoshihiro
実力のある作家であることは確かだ。しかし週刊連載には耐えられない遅筆ぶり、それにも関わらず週刊誌でしか作品を発表しない(できない?)状況が、深刻な負のスパイラルを起こしている。ラブコメディ、ギャグ、バトルものなど作品の幅は広く、高い確率でヒットを飛ばす売れっ子であるが、バトルものに限れば少年誌にありがちな「強さのインフレ」を上手い形で消化できていないのが残念。とはいえ、作画、場面設定、シーンの細部やギャグセンスなど、1つ1つのディテールは極めてレベルが高い。熱狂的なファンが多い割には、そういったファンに限ってその真価を見抜けていないきらいがあるが、少年漫画界では当代一流の存在であることは間違いない。夫人は武内直子。
てんで性悪キューピッド ★★★★★★
連載 集英社『週刊少年ジャンプ』 単行本 集英社ジャンプコミックス[全4巻]
集英社ジャンプコミックスセレクション[全3巻]
集英社漫画文庫[全2巻]
極道の家に生まれながら、女性に全く免疫のない竜二のところへ、まりあという悪魔が居候としてやってきた。恋愛に悪魔という取り合わせがユニークなコメディで、ポップな展開と派手なキャラクターが面白い。少年漫画としてはボーダーラインすれすれのお色気や、濃密で丁寧な絵柄も魅力的で、比較的まとまりのあるストーリーもまずまず楽しめる。〔w〕
幽☆遊☆白書 ★★★★
連載 集英社『週刊少年ジャンプ』 単行本 集英社ジャンプコミックス[全19巻]
【完全版】集英社ジャンプコミックス[全15巻]
幽霊となった浦飯幽介は霊界の探偵として活躍することになる。トータルで見れば霊界を舞台にした軽快なアクションになるのだろうが、とにかく前半と後半とでは同じ作品と思えない。アニメは大ヒットしたが、売れた原因はちょっと特殊な舞台設定とまとまった絵柄だけだったのではないだろうか。迫力は確かに感じるのだが、まとまりは全くない。〔w〕
レベルE ★★★★★★★★
連載 集英社『週刊少年ジャンプ』 単行本 集英社ジャンプコミックス[全3巻]
一人暮らしを始めるために山形にやってきた筒井雪隆が部屋に入ってみると、そこには自ら宇宙人だと名乗る謎の人物がいた。最後の最後までわからない展開や油断できないストーリー、変化に富んだキャラクターから読者の盲点をついたシニカルギャグまで、作者の本領がいかんなく発揮された作品。実験的な要素を隠すことなくダイレクトに表現しているが、それが全て成功しているのが恐ろしい。〔w〕
HUNTER×HUNTER ★★★★
連載 集英社『週刊少年ジャンプ』 単行本 集英社ジャンプコミックス[続刊中]
おばのミトに育てられたゴンは父親がハンターであることを知り、資格の取得を目指す。シリアスな展開にファンタジーの雰囲気を残す壮大なストーリーは好みが分かれるところだろうが、多彩多様なキャラクターは個性に溢れ、魅力的だ。随所に登場する派手なアクションや、メッセージ性の高いセリフなど、評価したい要素は少なからず存在している。〔w〕