| 前川たけし Maekawa Takeshi | ||||
| 個性的で魅力的なキャラクター、落ち着きのある安定した絵柄、決して飛躍することのないストーリー展開など長期連載の特徴を全てクリアしている。月刊誌での落ち着いた連載ペースが全てに妥協を許さず、堅実な作品作りにはうってつけの状況になっているのだろうか。そんな環境で作り上げられる作品は、派手すぎないし、地味すぎない。シリアスすぎないし、ポップすぎもしない。決して説教くさくない勧善懲悪の世界と真摯な姿勢が、作者の作風を確固たるものにしている。週刊連載となるとやや作品が地味になる傾向があるが、質そのものはハイレベル。海外でも評価は高く、特に香港やインドネシアなどのアジアでは日本漫画普及の原動力ともなっている。 | ||||
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鉄拳チンミ | ★★★★★★★ | ||
| 連載 | 講談社『月刊少年マガジン』 | 単行本 | 講談社月刊マガジンコミックス[全34巻] 講談社漫画文庫[全17巻] 【外伝】講談社月刊マガジンコミックス[続刊中] |
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| 「拳聖」として見出されたチンミは大林寺で拳法の修行することとなる。みんなを引っ張るムードメーカーであるチンミが様々な刻苦を乗り越え、成長していく姿を描いている。月刊誌で連載された長期連載作品なのだが、これだけの長さになると必然的にチンミのキャラクターにリアリティが生まれてくる。寺院の建物や戦闘の描線などすみずみまで緻密に描かれた背景まで、グラフィックは非常に美しい。〔w〕 | ||||
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ブレイクショット | ★★★★★★★★ | ||
| 連載 | 講談社『週刊少年マガジン』 | 単行本 | 講談社週刊マガジンコミックス[全16巻] 講談社コミックススペシャル[全9巻] 講談社漫画文庫[全8巻] |
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| ビリヤード部の唯一の部員織田は、強豪が集う大会に果敢に挑戦していく。理論をおざなりにしない極めて現実的な作品で、派手なアクションや必殺技などに頼り切らずに、キャラクターを個性的に表現する手腕はすばらしい。とかく地味に映りがちなテーブルゲームだが、ここまで情熱的・魅力的に描くことができるものかと驚いてしまう。〔w〕 | ||||
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はっけよい | ★★★★★ | ||
| 連載 | 講談社『週刊少年マガジン』 | 単行本 | 講談社週刊マガジンコミックス[全3巻] | |
| 両親を海で亡くした国光海は、地元の相撲大会で石塚らライバルを破り優勝するが、体格のなさや奇襲主体の戦法から相撲部屋のスカウトはみな冷たい。相撲部屋での小兵力士ならではの苦悩や努力を描いた作品だが、特別な長所も短所もない中庸な作品になってしまった。キャラクターも個性が薄く、あまり印象に残らない。原作は七三太郎。〔w〕 | ||||
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星の剣 | ★★★★★ | ||
| 連載 | 講談社『マガジンスペシャル』 | 単行本 | 講談社コミックス[1巻] | |
| 抜群に腕の立つ雇われ浪人天地長久は、名工だった父の仇である右頬にアザのある侍を追っている。動乱の戦国期をモチーフにした歴史ドラマで、仮想の舞台を上手く創作しており、なかなか意欲を感じる。安定感のある短編だが、まとまりがいいという点以外に特別強調できる材料はなく、また少年誌という舞台ではその長所を発揮できなかったようだ。〔w〕 | ||||
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新・鉄拳チンミ | ★★★★★★★★ | ||
| 連載 | 講談社『月刊少年マガジン』 | 単行本 | 講談社月刊マガジンコミックス[全34巻] 講談社漫画文庫[全17巻] 【外伝】講談社月刊マガジンコミックス[1巻] |
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| 旅を終えて師範となった後も、都での天覧試合など様々な戦いを続けるチンミの活躍を描く。相変わらず正しく賢い、チンミの比類なき強さや、シーファン、タンタンなど前編から続いて登場する脇役陣の活躍が心躍らせてくれる。どのシーンをとっても破綻のない堅実なストーリーや、表情から建物まで細かく描かれるビジュアルなど、細部まで隙がない。〔w〕 | ||||
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| まつもと泉 Matsumoto Izumi | ||||
| 週刊ベースで連載された堅実なSFラブストーリーが特に有名。発表された作品の数が少ないわりに多くのファンをかかえ、かわいいキャラと破綻のないストーリーは無難な印象もあるが、安定感のあるラブコメディは非常に読みやすく、一部で熱狂的に支持されている。かつてはギャグ漫画にもトライしたこともあったようだが、基本的にはポップなラブストーリーをじんわりと描く。テーマや題材は全くバラバラで、おしゃれなものから下町情緒的なものまで実に幅が広い。ラブコメ以外のジャンルに手を出すよりは、この路線を突き詰めてもらいたい作家なのだが、ここ数年は闘病生活を行っており、作品の発表は難しい状態。なんとか早く治癒し、再び表舞台に戻ってきてほしい。 | ||||
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きまぐれ☆オレンジロード | ★★★★★★★ | ||
| 連載 | 集英社『週刊少年ジャンプ』 | 単行本 | 集英社ジャンプコミックス[全18巻] 集英社愛蔵版コミックス[全10巻] 集英社漫画文庫[全10巻] |
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| 信頼感のあるゴールキーパーだった五郎は川崎高校に進学し、ストライカーに転向する。高校サッカーの魅力を伝えた堅実な作品で、無理のない展開を評価したい。しかし、堅調ではあっても繊細であるとは云いがたく、引き込まれるような迫力や予想外の展開にも縁がない。スポーツマンガとしてはどうしても魅力に欠けてしまい、残念なところだ。〔w〕 | ||||
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せさみ☆すとりーと | ★★★★★★ | ||
| 連載 | 集英社『スーパージャンプ』 | 単行本 | 集英社ジャンプコミックスデラックス[全3巻] 集英社ジャンプコミックスセレクション[全4巻] |
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| 下町商店街ごま通りに軒を構える八百屋「不二屋」の物語。長男飴丸が飛行機事故で他界した。結婚したばかりで後家になってしまった千歳さんは飴丸の匂いが残る不二屋へ引っ越すことを決意する。ホームドラマ的なドタバタがメインシナリオだが、次男圭樹と居候かりんちゃんの物語や、両親を中心としたサイドストーリーなどもなかなか楽しめる。〔w〕 | ||||
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| 満田拓也 Mitsuda Takuya | ||||
| バレーボール、野球とメジャーなスポーツ漫画を描く。絵柄もストーリーも非常に堅実でまとまったイメージが強く、作品のほとんどが少年誌に掲載されている割には派手さとは無縁な印象。そういった作風から、とかく「万人受け」と評されがちだが、随所にメリハリをつけ、ダイナミックな構成で読み手をぐいぐい引きつける手腕は非凡なものだ。現実からかけ離れた超人的な必殺技、見る方がうんざりするような泥臭さ、あるいは運と偶然に頼りっきりとなるシナリオとは全く無縁で、作品全体のストーリーだけでなく、個々のシーンの作り方が非常に上手い。長編連載が多いのも頷けるところだ。 | ||||
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MAJOR | ★★★★★★★ | ||
| 連載 | 小学館『週刊少年サンデー』 | 単行本 | 小学館少年サンデーコミックス[続刊中] | |
| 横浜マリンスターズのピッチャー本田茂治は妻に先立たれ、息子の吾郎と二人暮らし。ポップな作風とシリアスな展開とのマッチングが特徴的なのだが、それらが高度な次元で実現している序盤に比べると、以降は徐々にバランスが悪くなっていく。とはいえ、安定感のあるグラフィックや個性の際だったキャラクターなど、全体的なレベルは非常に高い。〔w〕 | ||||
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| 村枝賢一 Muraeda Kenichi | ||||
| 吉田聡のアシスタントを経て、少年誌でデビューした当初は、平凡な少年漫画を描く新人作家という印象が強かった。しかし、短長の連載をこなすに従い、その本領を発揮。強く、優しく、男らしい主人公たちがのびのびと動く、躍動感溢れる作品を数多く生み出している。緊迫した場面の巧さもさることながら、コメディやデフォルメのセンスも一級で、剛柔兼ね備えた実力派といえる。題材はスポーツから時代物、リメイクや人情話まで、非常に幅が広い。一時期から活躍の舞台を青年誌に移したことでますますその幅の広さに磨きがかかった印象で、なにより作品から漫画に対する真摯な姿勢が窺えるのが気持ちいい。夫人は森真理。 | ||||
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俺たちのフィールド | ★★★★★★★★ | ||
| 連載 | 小学館『週刊少年サンデー』 | 単行本 | 小学館少年サンデーコミックス[全34巻] 小学館少年サンデーコミックスワイド版[全17巻] 【外伝】小学館少年サンデーコミックス[1巻] 小学館少年サンデーコミックスワイド版[1巻] |
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| サッカー選手を父に持つ高杉和也は、同じ様にサッカーで頂点を目指す。騎馬拓馬、磯野拓郎と出会い、アルゼンチンでは修行を重ね、ついに日本代表にまで登りつめた和也を、幼なじみの愛子はまぶしく見つめる。一見、典型的なサッカー漫画に見えるが、勝負に掛ける男たちの姿はまぶしく、大胆な構成を上手くまとめて生き生きとしたキャラクターを作り上げている。上質なストーリーは迫力満点だ。〔w〕 | ||||
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佃島パイレーツ | ★★★★★ | ||
| 連載 | 小学館『少年サンデー増刊号』 | 単行本 | 小学館少年サンデーコミックス[全2巻] | |
| プロレスラーだった諸橋は隅田川の橋から屋形船へ落っこてしまう。屋形船佃屋の娘で、勝ち気で負けず嫌いなほとりと、諸橋を中心に描いたなんとも斬新な題材の作品で、少年誌らしいソフトなエンタテインメントに仕上がっている。特徴やインパクトにやや欠けている点が残念だが、象徴的な江戸っ子像が描かれていて、キャラクターは面白い。〔w〕 | ||||
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| 本島幸久 Motojima Yukihisa | ||||
| '80年代に少年誌へストーリー主体の競馬漫画を持ち込んだ、エポックメイキング的な存在。絵柄は少年誌の中でも児童誌寄りの、かなりおとなしい、まとまり感のあるオーソドックスなテイストなのだが、それ以外の部分は非常に大味だ。それも、少年誌ゆえに作風自体を敢えて大味に味付けしたと言うよりは、あまり練らないで作り上げたために結果的にそうなってしまったという類のもの。特に設定や構成段階で凝っている部分とおざなりにしている部分の差が激しい。近年では原作付きの作品も世に出しているが、これもそんな欠点を補う性質の原作ではないようで、全体的な傾向はさほど変わらない。連載ペースを落とすなど、じっくり練られた作品を作り出せる環境が揃えば、名作を生み出す可能性も高いと思うのだが。 | ||||
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風のシルフィード | ★★★ | ||
| 連載 | 講談社『週刊少年マガジン』 | 単行本 | 講談社週刊マガジンコミックス[全23巻] 講談社コミックススペシャル[全13巻] 講談社漫画文庫[全13巻] |
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| 森川俊は愛馬の仔シルフィードに騎乗する夢を携えて競馬学校へ入学する。競馬社会を迫力満点に描いた作品だが、勢いと情熱だけで描き上げている印象で、ディテールの甘さや無理のある展開が目立ちすぎる。取材をおざなりにしているのか敢えて無視しているのかはわからないが、感情移入しかける度に冷水を浴びせられる様な辛さがあり、閉口。〔w〕 | ||||
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蒼き神話マルス | ★★ | ||
| 連載 | 講談社『週刊少年マガジン』 | 単行本 | 講談社週刊マガジンコミックス[全13巻] 講談社漫画文庫[続刊中] |
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| 母の想い出が詰まった名馬ヘルメスの血統を残すべく、たった一頭残ったマルスを守るため凪野馬守は騎手を目指す。「風のシルフィード」の続編にあたる作品だが、かつてライバルだった陣営から描かれていることが最も顕著な特徴。作品全体の雰囲気は前作とあまり変わらず、血統背景などにもリアリティはなく勢いだけが空回りしている印象だ。〔w〕 | ||||
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| 森田まさのり Morita Masanori | ||||
| 題材は多岐に渡るものの、一貫して伝え続けているメッセージは「情」なのだと思う。頂点を目指そうとする「情熱」でも、男女間の機微を描いた「愛情」でも、動物や草花にかけるような「なさけ」でもない。敢えて近いものを探せば「人情」にあたるだろうか。いわば人と人との機微が主題に当たるのだが、それと知らさぬように描くのが実に上手い作家だ。通常、スポーツ漫画にしてもバトルものにしても、どこか目的に向かってストーリーが突き進むものがほとんどなだけに、その希有な才能は殊更目立つ。ベタベタの人情話とはちょっと違ったテイストで、少年誌らしい普遍的な格好良さを描く、今般稀少な作家だ。「借り物」が目立つキャラクター名だけは安直な気もするが、それもご愛敬か。 | ||||
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ろくでなしBLUES | ★★★★★★★★ | ||
| 連載 | 集英社『週刊少年ジャンプ』 | 単行本 | 集英社ジャンプコミックス[全42巻] 集英社漫画文庫[全25巻] |
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| 大阪からやってきた前田大尊は入学早々教師を殴って2週間の停学となる。正統派の男気あふれる不良の世界を描いていて、その硬派な純粋さはなかなか格好いい。ネーミングセンスがちょっと安直かもしれないが、正義感を失うことのない仲間たちの友情は忘れかけていたものを思い出させてくれる。不良漫画には珍しい真面目なヒロインも魅力的。〔w〕 | ||||
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ROOKIES | ★★★★★★★ | ||
| 連載 | 集英社『週刊少年ジャンプ』 | 単行本 | 集英社ジャンプコミックス[全24巻] | |
| かつて甲子園で大活躍したこともあるニコガク野球部は、不良の吹き溜まりと化していた。新たに赴任した新米教師、川藤は、この野球部を立て直そうと奮闘する。現在では主流を外れた青春スポーツ漫画だが、川藤をはじめとするキャラクターの熱さがビンビンと伝わってくる。過剰すぎない「熱血さ」と、個性豊かなキャラクター、まとまりのいいストーリーが読んでいて気持ちよく、飽きさせない。〔w〕 | ||||