立野真琴  Tateno Makoto
少女が夢見がちな華やかな世界を舞台に、とろけんばかりのラブストーリーを期待通りに作り上げる。当初切れ長なキャラクターが多かった絵柄は次第に丸みを帯びた優しいタッチになっていったが、近年はまた切れ長なキャラクターばかりになってきた。しかしキラキラの絵柄はストーリー同様、少女漫画の王道路線を突っ走ったものだといえよう。活躍の場は少女誌のほか、ボーイズ誌、映画のコミック化、アニメのアンソロジーなど非常に幅広く、そのため単行本の発刊される出版社も実に多岐に渡っており、こちらは少女漫画家の王道を行っているとはいえない感じ。
D-WALK ★★★★
連載 白泉社『花とゆめ』 単行本 白泉社花とゆめコミックス[全7巻]
超一流のファッションモデル「セイラ」こと江端正良と、その弟でカメラマンの卵高巳の物語。華やかな世界と、それに絡んだ兄弟愛や恋愛を中心としたストーリーだが、残念ながらオリジナリティやインパクトはほとんど感じられない。この世界観に共鳴する読者ももちろん多いのだろうが、飛躍的なシナリオや緻密さに欠ける構成など難点も多い。〔w〕
そりゃないぜBABY ★★★★★★
連載 白泉社『花とゆめ』 単行本 白泉社花とゆめコミックス[全11巻]
独身で二枚目の人気作家朔原敬四郎は、事故で亡くなった姉夫妻の4人の子供を育てている。お手伝いさんとしてやってきた石野桃子と朔原一家のハートフルな物語で、やや変則的な設定ながらも良質なホームドラマに仕上がっている。個性豊かなキャラクターが魅力的で、四人の子供が「新幹線」なのもご愛敬。ただただタイトルだけが意味不明なのが不思議だが。〔w〕
神さまはいるのかい? ★★★★
連載 白泉社『別冊花とゆめ』 単行本 白泉社花とゆめコミックス[1巻]
白崎不動産社長の息子健人は、祖父から残された教会を守る三姉妹、紫・朱理・みどりに誘拐される。基本的なバックベースはシリアスな不動産問題で組み立てられ、ミステリー調のストーリーとポップな展開、キャラクターを織り交ぜて、上質なコメディに仕上げている。三姉妹の個性もそれぞれハッキリしていて、比較的ストレスなく読める作品。〔w〕
マリィMAX! ★★★★
連載 白泉社『花とゆめ』 単行本 白泉社花とゆめコミックス[全19巻]
大沢麻理衣は元アイドルだった母ミリィの遺言で、十字のアザを持つ兄を捜すことになる。芸能界を舞台にしたシチュエーションコメディだが、ストーリー展開やキャラクターについては、やや大味な印象がある。女性好みの雰囲気作りの技術は評価したいが、反面非常に読み手を選ぶ作品ともいえ、次第に派手さを増す絵柄も好みが分かれるところ。〔w〕

津田雅美  Tsuda Masami
アニメ化もされた連載2作目がメガヒットとなって、知名度が一気にトップクラスの作家並みになった。しかし発表されている作品が短編・長編共に少ない現状では、作家としての評価はなかなか下しにくい。ただし読み手をぐいぐいと引きつけるストーリーや、ずば抜けた個性が破綻なく描き分けられるキャラクターなど、現時点でもその非凡な才能は十分に窺える。少女漫画という枠組みの中での新ジャンルの確立さえ期待したくなる、今後ますます活躍して欲しい作家の一人だ。
彼氏彼女の事情 ★★★★★★★★
連載 白泉社『LaLa』 単行本 白泉社花とゆめコミックス[続刊中]
見栄を張るために超人的な努力を繰り返す宮沢雪野は、高校で何でも出来る優等生、有馬総一郎に出会う。コメディ色の強い学園ドラマだが、雪野の特異でありながら親しみの持てるキャラクターが面白い。誰もが体験したことのあるような小さなトラウマを織り込み、才能のある人間には暗い過去を与える。非常に芸が細かい一方で、オリジナリティも存分に発揮されている秀作。〔w〕