![]() |
||||
| 高橋しん Takahashi Shin | ||||
| 学生時代に箱根駅伝に出場経験がある、漫画界では異能といえるスポーツマン。繊細な絵柄ととぼけたキャラクターで、青年漫画界に颯爽とデビューした。ストーリーは堅実かつ重厚なのだが、アットホームな題材でもSF的な題材でも、とにかくなんでもヒューマンドラマになってしまうほど、「人間」を描こうという姿勢は一貫している。惜しむらくは綿密に築かれた設定が、時に頭でっかちになってしまうこと。あまりにも話が壮大すぎるのか、制作中に詰まってしまうのか、往々にして中盤以降でダレる傾向がある。絵に対する執着が非常に強く、単行本化の度に大量の書き下ろしページが出ることで有名。近年では少年誌、さらには少女誌に進出という、予想外の行動に出て、新しい境地を見出している。 | ||||
![]() |
いいひと。 | ★★★★★★★ | ||
| 連載 | 小学館『ビッグコミックスピリッツ』 | 単行本 | 小学館ビッグスピリッツコミックス[全26巻] 小学館文庫[全18巻] |
|
| 大手スポーツメーカーライテックスに勤めることになった北野優二はとにかく「いいひと」で、道を聞かれて一緒に探しに行ってしまったり、お年寄りの荷物を家まで持っていってあげたりして、遅刻することはしばしば。ドラマ化もされた人気作で、かつて陸上選手だった作者の意気込みが感じられる作品に仕上がっている。実は各エピソード毎に主人公が変わっていることにも注目。〔w〕 | ||||
![]() |
きみのカケラ | ★★★★★★★ | ||
| 連載 | 小学館『週刊少年サンデー』 | 単行本 | 小学館少年サンデーコミックス[全4巻] | |
| 周囲を崖に囲まれ、年中雪が舞い降りる末期的で貧しい星の王女イコロは笑うことができない。目の見えない弟を守りながら生きていくうち、イコロは自分の記憶を失っている少年シロと出会う。ファンタジーでありながら悲壮感漂うシリアスなストーリー。かわいくもせつない子供たちが命を賭けて必死で闘う姿は、思わず涙を誘う。デザインに凝った装丁を含め、卓抜したビジュアルが秀逸。〔w〕 | ||||
|
|
||||
| 土田世紀 Tsuchida Seiki | ||||
| 「熱い」漫画を描かせたら、日本でも1、2を争う作家。絵柄は劇画を情熱的にしたような非常に暑苦しいタッチ、キャラクターは熱情にまかせたむさ苦しさ全開の人物ばかり、ストーリーもひたすら泥臭い浪花節と、とにかく非常に濃密な漫画を描く。しかし飾らない人間の感情を、勢いそのままに紙にぶつける作者のテイストは、決して不快でも不愉快でもない。社会の裏側にも鋭く切り込むそのスタンスはジャーナリスティックな視線をも併せ持っており、攻撃的で厭世的な諸作品のスタンスは、まるでボトムラインにいる人々の感情や鬱憤を全て背負い込んでいるかのようだ。最初は、このテイストをクサく感じてしまうかもしれない。しかし読み進むうち、その熱さに次第に感化されてしまう自分がいるはずだ。 | ||||
![]() |
俺節 | ★★★★★★★ | ||
| 連載 | 小学館『ビッグコミックスピリッツ』 | 単行本 | 小学館ビッグスピリッツコミックス[全9巻] | |
| 青森から上京してきた海鹿(あしか)耕治は演歌歌手を目指す若者。社会の陰部に潜み、地味で苦しい下積み時代を送る若者たちの苦悩を描くが、時に暑苦しくもあるその激しいソウルは決して攻撃的ではなく、才能に恵まれながらただただチャンスと運に恵まれない彼らを励ます激しい檄のようだ。迫力満点の格好いい筆書きのタイトルロゴは、演歌の大御所北島三郎の筆による。〔w〕 | ||||
![]() |
編集王 | ★★★★★★★ | ||
| 連載 | 小学館『ビッグコミックスピリッツ』 | 単行本 | 小学館ビッグスピリッツコミックス[全16巻] 小学館ビッグコミックスワイド版[全4巻] |
|
| 『あしたのジョー』に感動し、ボクサーを目指していたカンパチは夢破れてマンガ雑誌の編集部にバイトとして入る。現場の雰囲気をリアリティたっぷりに描いた力作で、夢と現実が同居するマンガ制作の舞台裏を個々のキャラクターにそれぞれの主張を語らせることによって上手に表現している。真剣に悩み、議論する格好良さを真摯に描いた作品。〔w〕 | ||||
![]() |
競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 | ★★★ | ||
| 連載 | 講談社『ヤングマガジン』 | 単行本 | 講談社ヤングマガジンコミックススペシャル [全17巻] |
|
| 中央競馬の田原成貴元騎手が原作。連載当初は滅茶苦茶な展開でリアリティは全く無視しているのかと思えば、中盤から急にシリアスなストーリーマンガに変わっていく。コメディにしては面白くないし、純粋なストーリーものにしてはディテールの甘さが目立ってしまう。プロならではの独自の視点もあるだろうが、このままでは読者は納得しない。〔w〕 | ||||