ジャンク・ボーイ (2000.6.7)〔w〕
作 者 国友やすゆき
連 載 双葉社『週刊アクション』
単行本 双葉社アクションコミックス[全18巻]
【新装版】双葉社アクションコミックス[全18巻]
ストーリー  かなりいーかげんな動機で人気雑誌『ポテトボーイ』を抱える全日出版の就職試験を受けた山崎良平。試験は落ちたが、『ポテトボーイ』の美人編集長織田由貴に才能を買われ、編集者となる。しかしスケベのことしか頭にない良平はやることなすことめちゃくちゃばかりで……。
設 定  金とオンナと仕事。男が常に情熱を傾ける3つの要素のいい部分だけを都合良くまとめた感じ。良平や由貴に限らず、キャラクターたちの行動にはおよそリアリティがないし、次々と起こるハプニングはまさに奇蹟の連続だ。しかし、そんな大味な展開がレベルの低いものかというと、決してそうとは言い切れないのだ。確信犯的にエロティックな女性キャラクターをこれでもかとばかりに登場させ、意図的に派手な演出を試みているのがありありと感じ取れるだけに、敢えて大衆的にという工夫と考えることができるのだ。上質なエンタテイメントを提供しようという、真摯な姿勢が伺える。
シナリオ  純粋なエンタテイメントであることを鑑みても、若干の違和感を感じざるを得ない。当初は重要なキャラクターであることを匂わせていた美留が次第に目立たなくなっていき、ついにはその場限りのサブキャラとまとめてしまったのがその象徴で、まとめ方が上手かったからといって取り戻せるというものではない。団地妻のエピソードやオフの良平の様子など、関連性がなく、つなぎであるのが容易に推測できるのが寂しい。ただ、そんなへこんだシナリオを取り戻すことに関しては驚異的な手腕が発揮されており、上手いのだか下手なのだがよくわからない印象を受ける。
キャラクター  どうしても破天荒な良平の影に隠れてしまうキャラクターが多いのだが、それでも『アントニオ』の白井、副編集長の取石、カメラマンの日田など個性派の脇役も目立つ。しかし、肝心の女性キャラクターたちが印象が薄い。だれもかれも良平に好意を抱いてしまっているので差異がつきにくいこともあるが、性格や表情にもそれほど特徴はない。由貴の絶対的な存在感が救いか。
グラフィック  読みやすい。むちゃくちゃな絵も代わった構図も見られないし、はっきりした線なので安心して読める。それだけに特別な評価をする人も少ないだろう。普通に読めばまとまりがあって
読みやすいが、特に飛び抜けた長所も短所も見あたらない、といった評価に落ち着くだろうか。
 ただ一つ、例外なのがハダカの描き方である。特に女性は例外なく「脱ぐとグラマー」で、肉感的なヒップラインと太股がすごい。なにせ自分から誘ってくる女が圧倒的に多いのでとにかくハダカは常にポイントとなっているのだが、男性読者の期待に応える内容になっているだろう。一方、男の方もそろいもそろって「脱ぐとすごい」。胸筋や上腕筋、かなりマッチョな男共がまばゆい女たちと酒池肉林の世界を繰り広げる。
装 丁  軽い内容にピッタリ!といいたいところだが、それほど質が高いものとは思えない。もちろん雰囲気は上手く出しているのだが、デザイン的に優れているとか斬新な発想を取り入れていると云うことはないのだ。まずまず平均的なデザインといえるが、「ジャンク」と「ボーイ」の間のピンが疑問。