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姫ちゃんのリボン (2000.7.9)〔w〕 |
| 作 者 |
水沢めぐみ |
| 連 載 |
集英社『りぼん』 |
| 単行本 |
集英社りぼんマスコットコミックス[全10巻]
集英社漫画文庫[全6巻] |
| ストーリー |
元気でオテンバな野々原姫子は、秘かに憧れている支倉に想いを伝えられない。そんなとき、姫子とそっくりな少女エリカが現れる。魔法の国の王女であるエリカは修行のために姫子を観察させて欲しいと頼んできて、代わりに誰にでも変身できる魔法のリボンをくれるという。姫子はリボンを身につけるようになるが、しばらくして同じ学校の有名人、小林大地にその秘密を感づかれ…… |
| 設 定 |
シンプルというよりは安易、あるいは安直な設定も見られる。姫子と大地が合う場所が「廃屋」というのはちょっと安易であり、芸能人が登場してくるのも少々頂けない。もちろんこの程度なら許容範囲とする人も多いだろうし、そのボーダーラインを判定するのもナイーブな問題だ。しかしそういった「お約束」の部分を残しながら、もっと作品のレベルを向上させる余地もまだまだ残されているように感じた。 |
| シナリオ |
淀みない流れは評価できる。魔法界をリアルに登場させたことも面白いし、消化不良に終わる部分が極めて少ない事も嬉しいところだ。
ストーリーとして注目したいのは、いきなり姫子が支倉にふられるところ。現在、少女マンガの主人公として「明るい」キャラクターか「大人しい」キャラクターがパターン化しているなかで、後者の場合は主人公がシンボリックな男の子に思いを寄せ、その結果をシナリオの柱にすることが多い。そのためハッピーエンドのケースもバッドエンドのケースもあり得る(もちろんハッピーエンドとなる方が圧倒的に多い)が、しかし前者の場合は、本来「明るい」筈のキャラクターが失恋によってそのテンションを失う可能性を想像すれば、なかなかそういったシナリオを構築することはできない。この作品は、敢えてその難しさに挑戦しながら、姉への想いと大地という代替物で上手く消化した。もちろんこれに魔法のリボンが上手く相乗効果を生んでいることも忘れてはならないだろう。 |
| キャラクター |
低年齢層の読者を対象にしているだけに、非常にわかりやすいキャラクターが多い。使い捨てのキャラも少なく、安心感があるのだ。もちろん、シナリオ共々安易だ、安直だと思われる設定が見られないでもない。五利先生の奥さんが美人というのもいかにもといった感じがするし、姫子の母親が作家というのも、あまりにも使い古された設定だ。しかし、作品の雰囲気がそんな安直さを許してしまうものになっている以上、ケチを付けるべきではないだろう。 |
| グラフィック |
絵柄には問題はないと思う。連載開始時から完成度の高かった人物描写は後半まで変わらず高いレベルを維持しており、そのため絵柄そのものの変遷もそれほど見られない。細い線も太い線も丁寧に描かれており、少女マンガ向きの落ち着いた絵柄だ。
問題はカットの構成。総じて少女マンガは、読者を掴むために迎合的な表現をすることが多く、その為ご都合的な展開となる場合が少なくない。もちろんこの作品にもそんな傾向は見られているのだが、そういった表現自体は責められるものではないだろう。そういった「ジャンル」であることを読者も自覚しているだろうし、何より低年齢層の作品である以上はわかりやすさを大前提にする必要がある。しかし、その表現が物足りない。強調すべき部分が強調されていないのが非常に目立っており、それが特に細部で顕著だ。
一方で、オリジナリティのある工夫も随所に見られる。エリカが姫子に宛てて送った手紙(映像付き)は、その音声をトーン地のフキダシにしていて面白いし、時々出てくる「遊び」も(屋上のお化けなど)なかなか楽しめる。だがページ一面に擬音が描かれていたり、肝心のカットが妙に小さく描かれていたりといったツメの甘さを挽回できるレベルには至っていないのではないだろうか。 |
| 装 丁 |
至って普通。統一的なデザインにソツがなく無難なカット。配色に工夫があるわけでもないが、かといってマイナス材料も見られない。典型的な少女漫画のデザインだ。 |